2013年05月17日

button_15.jpg  独占禁止局

以下、中国の独占禁止局についての日経新聞の記事です。

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 世界企業のM&A(合併・買収)に「35人の長城」が立ちはだかっている。中国の独占禁止法当局だ。発足からまだ約5年、総勢約35人の小所帯だが、その判断が企業の戦略を大きく左右する。企業にとって中国抜きの成長戦略は描きにくくなるなか、中国当局の存在感が高まっている。
 
■丸紅など現地事業に制約
 
 北京市中心部を東西に貫く大通り「長安街」に面して建つ商務省。その3号棟3階に「独占禁止局」が陣取る。内部は常に非公開。弁護士や各国大使館員でも雰囲気を探ることは難しい。
 
 「なんだこれは」。4月24日、丸紅幹部は言葉を失った。米穀物大手ガビロン買収について、中国独禁局が「大豆市場で競争の排除や制限を生む恐れがある」と判断。両社の中国での事業統合と市場情報の交換について禁止を求めたのだ。
 
 世界の大豆輸入総量の6割を占める中国。丸紅はその中国の輸入量で2割のシェアを取り首位だ。一方ガビロンは米国での大豆調達に強いが、中国の輸入シェアはわずか。それゆえ丸紅幹部も「審査は問題なく通る」と考えていた。現在同社も対応策を練るが、中国独禁局の判断を覆すのは簡単ではない。
 
 2008年の中国独禁法施行から12年末までに終了したM&A審査は540件ある。無条件承認が9割で、制限条件付きはこれまで19件。不許可は米コカ・コーラによる中国飲料大手の買収1件のみだ。条件付き案件の比率は欧州と比べて突出しているわけではない。
 
 ただ企業にとって中国独禁局が不気味なのは、時に「公正な競争環境の確保」という独禁法の精神を逸脱しているような判断を下すからだ。
 
 「鉱山売却は悲しいが受け入れる」。4月、スイス商品取引大手グレンコアと合併を控えた資源大手エクストラータのミック・デービス最高経営責任者(CEO)は社員への手紙にこう記した。
 
 独禁局は合併新会社が中国の銅鉱石輸入のシェア約2割を握ることを憂慮。ペルーの銅山売却と今後8年間、中国企業に銅などの安定供給を求めた。欧メディアはこの措置を「異例」と指摘する。欧米では資産売却などの措置は3割以上のシェアが基準だからだ。
 
 一連の中国独禁局の判断について、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の森脇章弁護士は「自国産業保護への配慮を節々に感じる」という。
 
 中国独禁局の判断を読み解くカギがある。「国家安全審査」だ。中国独禁法では域外適用の明文規定とともに、外資による国内企業買収などが国家安全に関わる場合、国家安全審査を求める。外資同士のM&Aでも中国への影響が大きいと見れば、政府の裁量が働く可能性はある。
 
 中国だけが異質というわけではない。米国も自国企業に対するM&Aは、国益に照らして検証する組織がある。しかし独禁法と安全保障を絡める中国の対応は異例。日本なら企業買収に伴う国家安全保障は外為法や個別業法での対処だ。
 
 中国の国家安全とは軍事や食糧、資源・エネルギーの安定だ。丸紅やエクストラータの案件はまさにここに当てはまる。
 
 国家安全審査には、国家発展改革委員会、工業情報化省など複数の機関が参加するとされる。むろん商務省は国家指導部の意向を無視できない。独禁法審査で「当局職員が関連省庁の意向を伺うこともある」と日本のある弁護士は明かす。
 
■審査遅れ12件、「明らかに人手不足」
 
 審査遅延も問題だ。日本企業が関わるM&Aで中国独禁局の審査遅延は主要案件だけで12件。昨年10月を予定した造船大手ジャパンマリンユナイテッドの統合は3カ月遅れた。独禁局が中国共産党大会の準備に追われたことも響いたという。
 
 本来なら1次審査で済む案件を2次に回すケースがほとんど。そもそも局長含め35人ほどの陣営では「明らかに人手不足」(日本の弁護士)。日本では担当課の実動部隊だけで約40人いる。中国政府も4月、シェアの低い事業統合について手続きを簡略化する検討を始めたが実現は不透明だ。
 
 中国独禁局の孤立ぶりも気になる。先進国の独禁法当局は「協力協定」を結び情報交換する関係だ。中国も欧米や韓国などと協定を結ぶが「あまり機能していない」(ある弁護士)。日中間には協定すら存在しない。日米欧で協力して中国を国際ネットワークに引き込む努力が欠かせない。
 
 インドなども独禁法の審査強化に動いており、今後、新興独禁局に企業が振り回されることが増えそう。企業はM&A戦略が各国の政策のなかでどう位置付けられるのか見極める必要がある。
 
■ワンマン局長、法案策定から関与
 
 「局内では絶対的な存在。ワンマン局長だ」――。中国商務省独禁局の尚明局長はこう評される。今年58歳。吉林大学で法律を学び、若い頃から反ダンピング(不当廉売)の担当など貿易関連の条約や法律に一貫して携わってきた。
 
 2008年の独禁局創設以来、局長を務める。英語で欧米の当局者と議論し、独禁法の研修で日本を訪れたこともある。同法の策定から関わった第一人者として知られる。
 

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