2013年11月18日

button_15.jpg  日系電機メーカーの中国との付き合い方; 1.魅力的だが問題が多い中国市場

 日系電機メーカーにとって中国市場は魅力的だが難しい市場である。中国市場における多くの製品カテゴリーで日系企業のシェアは低迷する一方、中国企業が中国政府の支援を得ながらばく進している。その勢いはすでにグローバルに及んでおり、大きな脅威になり始めている。日系電機メーカーが中国で成功するために、中国政府や中国企業と共存共栄する道が一つの選択肢であることを事例を参考にしながら論じる。

 日系電機メーカーにとって中国は魅力的な市場である。中国は国内総生産(GDP)で米国に次いで2位にある経済大国である。以前のような爆発的な成長から減速したと言われているが、約13億人の消費パワーは絶大である。全世界のコンシューマー・エレクトロニクス市場において中国が占める割合は、2011年時点で約16%(額にして1,230億ドル)。これまで年率12%で成長しており、この成長基調は今後も続くと予想されている。

 しかし、日系電機メーカーにとって中国市場には多くの問題が存在する。第一に儲けることが極めて難しい。低価格は当たり前、その中でさらに価格崩壊が起こる。第二に、あらゆる形で存在する国内保護規制。日系を含め外資系企業は事業活動が公式・非公式な形で制限されており、思うように事業展開できない。第三に「コピーできてこそ本物」という通常であれば特許侵害・ビジネスマナー違反ともいえることを堂々とできてしまうマネ文化。特に電機業界はデジタル化が浸透していることからマネすることは容易である。 大橋 譲(Yuzuru Ohashi)

(ITmedia エンタープライズ 11月18日)
2013年05月16日

button_15.jpg  特許が中国に吸い込まれる

以下、日経エレクトロニクスの記事から。

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「状況が変わった。海外には特許を出せなくなった」

 日高東亜国際特許事務所の所長で,弁理士の日高賢治氏は,ある中国の部材メーカーの言葉に耳を疑った。担当者が説明したのは,中国当局が日本への特許出願を認めてくれないという事実だ。「新技術を開発したので,是非とも日本に特許を出願したい」。部材メーカーの依頼で,特許の出願準備を始めた直後だった。

 その際にピンときた中国の知財制度の変化がある。改正専利法の施行だ。専利法は日本の特許法に当たり,実用新案や意匠権を含めた制度を定めている。中国は8年ぶりに同法を改正し,2009年10月に施行した。

 日高氏の頭に浮かんだのは,改正法の第20条。中国国内で開発された技術を他国に特許出願する際に,行政機関の秘密保持審査で許可を得るよう定めた。部材メーカーの新技術は,この審査を通らず,海外出願を許されなかったのだという。「この技術はノウハウの塊だから,海外に出してはならない。これが中国当局の判断だったようだ」と日高氏は話す。


技術が巨竜の腹中に消えていく

 なぜ,特許の海外出願で行政機関の許可を得る必要があるのか。実は,専利法20条の改正には,従来法の規定を緩める措置の側面がある。

 従来法では,中国国内で開発した技術を,まず中国で特許出願するよう定めていた。第20条の改正ではこれを緩和し,第1出願国を選べるようにした。その代わりに,行政機関による秘密保持審査を課した。

 あくまでも安全保障の観点で重要な技術などが国外流出することを防ぐ規定で,それほど障害ではないとの見方もある。だが,今後の運用次第では,日本メーカーの知財戦略に影響を与える可能性がある。中国企業だけではなく,外国企業が中国で開発した技術も審査対象になるからだ。日本メーカーが中国に開発拠点などを持つ傾向は,今後ますます進むだろう。中国拠点の開発技術を他国で特許出願できなくなれば,製品を世界展開する際の影響は大きい。

 日高氏は,相談を受けた部材メーカーの技術が「秘密保持が必要なほど特殊なものとは思えなかった」と首をひねる。同氏の体験からは,硬軟織り交ぜた制度と運用で“知財大国”を目指す中国の姿が透けて見える。まるで,世界の技術が中国という巨竜の腹中に消えていくかのようだ。

 今,先進国の企業は中国での特許出願に血眼になっている。特に日本のエレクトロニクス・メーカーの傾倒ぶりは際立つ。中国で知財関連を担当する国家知識産権局が2009年3月に公表した報告書では,2003〜2008年に中国で出願された情報通信分野の特許のうち,国外からの出願分の約4割が日本メーカーのものだった。

 セイコーエプソンのように,5年以上前から中国特許の優先度が欧州を上回り,今では米国と同水準になった企業もある。権利を行使しにくい日本よりも,むしろ中国で特許を出す方が得策と考え始めた大手メーカーも少なくない。

侵害訴訟のリスクも高まる

 中国が自社製品の生産拠点であると同時に,巨大な消費地になった現状では,特許を取らないリスクの方が高いとみる企業が多い。防衛手段として,多くの特許を取得しておくことがリスクヘッジになるからだ。

 中国では国外からの出願数を上回る勢いで,国内からの特許出願が増えている。これに伴い,中国企業の模倣対策と同時に,逆に中国企業から訴えられるケースが日本メーカーの大きな心配事になった。

 しかも,中国で敗訴した場合の賠償額は増加傾向にある。2009年12月には,日本の環境技術メーカーが敗訴した特許侵害訴訟で,中国最高人民法院が約5061万元(約6億8000円)の賠償を命じた。日本企業の特許侵害による賠償額では,過去最高とみられている。

 ただ,「中国の侵害訴訟の信頼性には疑問が残る。日本では想像できない理由の判決が多い」と,日高氏は指摘する。その実情を知っても,市場として期待する以上,中国の特許制度は活用しなければならない。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」というのが日本メーカーの偽らざる心境だろう。

 世界の工場からスタートし,世界の知財をのみ込み始めた中国。一方,デジタル家電などの急速な価格低下に悩む日本のエレクトロニクス・メーカーは,インターネット・サービスを使った“脱売り切り”に活路を見いだそうとしている


(以上、日経エレクトロニクスの記事から)
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中国政府関係者との会合でこの特許に関する熱意は非常に多く感じます。特許分野での中国の攻めの姿勢が今後は出てくるように思います。そのために備えを十分に取っておく必要があります。

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